お待たせしました!学級目標の作り方のマニュアルです!
前段もとても大切ですので、必ずこちらにも目を通してください。見ておくだけでも学級目標への考え方や活用の仕方が変わるはずです!
用意するもの
・付箋・・・いっぱい
・A3以上の用紙か画用紙・・・10枚程度
学級目標マニュアル⓪「導入」
突然ですが、みなさんに質問をします。
これからみなさんと旅に出るとして、必要なものはなんでしょうか。
食べ物とゲーム
服です
こんな風に質問を投げかけてみましょう。多分、上のようにそれなりに帰ってくるはずです。中には・・・
どこに行くかにもよります
と答える子どももいます。いればそこから下のように話していきましょう。
いい質問ですね。実はその旅には行先も目的も決まっていないんです。それどころか旅行にいくメンバーも勝手に決められています。メンバーはね、年が同じで近くに住んでいる人たちからランダムで選ばれています。
えー!それだとさっきの問題は考えられない!
ですよね~。実はね・・・この旅というのは私たちの学級のことをなんです。
私たちの学級は始まったばかりで、どこに向かうか決まってませんよね。それにメンバーも君たちが決めたわけではない誰かさんが決めたメンバーですよね。
そんな中でこれから長い時間をかけて学級の旅に出るわけですが、旅行で一番先に決めなければいけないことはなんでしょう。
行先です!
そうです。行先をまずは決めますよね。
ではその行先というのは何か。それは「学級目標」です。
それがこの学級の旅の行先になるわけです。行先が嫌ぁ~なところだと旅も楽しくないですよね。反対に行先が行ってみたい!わくわくする!というところだと旅も楽しくなりますよね。
このような感じで話しても良いでしょう。
もし、先ほどの質問に疑問をもつ子がいなければ、
この質問で答えてくれた旅というのはどこに行く予定でしたか?
と聞いてみましょう。みんながバラバラなことを言いますので、そうなったら、先ほどの「実はこの旅は~」のくだりに行っても良いでしょう。
学級目標マニュアル①「個人の願い」
学級目標は学級全体の目標でもありますが、私は個人の願いの集合体だと思っています。
まずは、その個人の願いに焦点を当てていきます。
これから付箋を配ります。付箋には「この学級がこうなってほしい」ということを書きましょう。書き方にルールがあります。
①必ず名前を書くこと
②1つの付箋に、1つの事柄を書くこと
「仲が良くて、勉強に集中する」と書きたい場合は、「仲がいい」で一枚、「勉強に集中する」で一枚と分けて書きましょう。
このように説明して書かせましょう。名前を書かせる理由は自分の書いたことに責任をもつためです。後で説明しますが、この付箋はしばらく教室内に貼っておきます。場合によっては一年間掲示しておきます。せっかく自分の願いとして書きますので、責任をもって名前を書きましょう。
時間は学級におまかせしますが5分程度で良いのではないでしょうか。
学級目標マニュアル②「個人の願いをまとめる」
個人での願いを書き終えたら、まとめていきます。
高学年であればグループごとでも構いませんが、全体で行う方がみんなで学級目標をつくっている感がでて良いと思います。
(1)自分が付箋に書いたことを発表させる。
(2)画用紙を黒板に貼っておく。付箋を黒板に持ってこさせ、画用紙に貼る。
(3)同じような事柄が書いてある子にも持ってこさせ、同じ画用紙に貼らせる。
(4)画用紙にタイトルをつける。
こんな感じになります。
そして(1)~(4)をみんなの付箋がで終わるまで行います。できた画用紙は黒板に貼っていきます。タイトルは子どもたちからの言葉でつけても良いですし、担任が「これってつまり○○だね」とまとめても良いでしょう。なるべくは子どもの言葉からまとめたいものです。グループでやる場合はタイトルをつけるところまで子どもたちに任せてみましょう。
ここでどんな意見が出ても教師は受け入れましょう。そうしなければ学級全体の目標にはなりません。
全員の付箋が出切るまでに、上のような画用紙がだいたい5~10枚くらいはできるのではないでしょうか。
できた画用紙の種類があんまりたくさんになる場合は、その後のまとめが難しくなるので、似たようなニュアンスの画用紙同士をまとめても良いですし、
貼られている付箋の枚数や多数決などで学級で大切にしたいベスト3のように意見に順位をつけても良いでしょう。
ここまで来ると個人の願いが友達の願いと重なり、学級集団としての目標が少しずつできてきている感じになります。ここで作った画用紙をこの後も学級内に掲示しておきましょう。
できることなら1学期間くらいは掲示しておきたいです。そうすれば「あ~4月はこんな願いをもっていたのか」と立ち返ることができますし、授業参観で訪れた保護者も今年度の学級目標へ向けた歩みを見ることができます。
中には年間通して、この画用紙を掲示している学級もあります。年間通して掲示しておくことで新年度に抱いた学級への期待を可視化しておくことができます。
学級目標マニュアル③「目標作成に向けて個人思考」
様々な願いが出たところで一番の難関です。ここが難しいところですが、ここまでの関係づくりをしっかりしておくととても楽しい学級目標が出来上がることがあります。
ここまでみなさんの学級への願いがでましたね。
これを学級の目標にしていきます。1人1つ考えてもらいます。学級目標で大切なことは「意識できること」と「目指したいと思える」ことです。例えば、すんごく長~い学級目標になったらみんなは覚えられますか?多分難しいと思います。
ですので、学級目標はなるべく短く、覚えやすい方が良いでしょう。そのための例をいくつか教えますので、参考にしてください。
こんな話をします。そして下のようなまとめ方の例を出しましょう。
まとめ方の例は下の書籍を参考にしました。ありがとう、この本・・・。
①シンプル&リズミカルに・・・「3年2組がナンバー1!」「やる気・元気・勇気」
②みんなで1つのものを作る系・・・パズル、虹、星などなど
③みんなで1つのものを作る系(食べ物)・・・お団子、お鍋、回転ずし
④長文系・・・まとめた画用紙のタイトルをつなげて文にする
⑤頭文字系・・・まとめた画用紙の名前の頭文字をつなげてみる
⑥英語系・・・英語にすることで合言葉感を強く
⑦流行りもの系・・・その時に流行っているものにのっかってみる
⑧学級の数字を使う系・・・例:4年1組→「よい」のキーワードを使う
⑨前年度を踏襲・・・前年度の学級目標の続編みたいに作る
⑩数字羅列系・・・3150(最高)のように数字として目標を表現
⑪自分たちにしかわからない系・・・他の学級の人が見てもよくわからないけど、自分たちはわかるというような目標。これは次の「最後の合意形成」で生まれやすい
こんな風にまとめることができるというのを子どもたちに伝えて、1人1つ学級目標を考えさせましょう。
・宿題として
・グループで
・個人で
様々な考え方がありますが、私は宿題で出すことも多いです。その際は学級目標だけでなく、目標にこめた思いを書かせると後でみんなで考えるときの参考材料になりますし、奇をてらいすぎた案も出にくくなります。
学級目標マニュアル④「最後の合意形成」
③では1人1つ学級目標を考えてもらいました。
考えてもらったものを1枚のプリントなどにして配ります。そこでみんなで見合い「これがいいなぁ」というものを決めます。
その際は多数決を使っても良いですが、多数決の前に「どの意見のどんな部分が良いのか」という賛成意見の交流や「どんな思いが込められているのか」という質問をしあうと良いでしょう。
多数決で決めていくと、どうしても1つにはきっちり決まりません。
その際は「どうすればみんなが納得できるか」ということで話し合いましょう。2つの目標を1つに合わせたり、逆にシンプルに削ったりと様々なドラマが生まれます。
あとは納得するまでとことん話し合いましょう。ここまで来ると、話し合いも具体的になり、子どもたちも楽しくなってきます。
教師はその話し合いを見守るか、話し合いの内容を整理しながら学級目標完成に向けて進めていきましょう。
最後は多数決になるかと思います。ですが、多数決で決まったからOKではなくて、最後まで賛成できない子にも目を向けて声をかけてあげましょう。
そして学級目標が決まったら、みんなで大きな拍手をしましょう!!!
みなさん、ついに決まりましたね!
こんなに楽しい学級目標ができれば、きっとそこに向かっていくのも楽しくなりそうですね!これからみんなでこの学級目標に向かって頑張っていきましょう!
と教師自身が学級目標を喜び、それに向けて進んでいくことを表明しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
具体的な学級目標を紹介できないため、少しわかりづらかったとも思いますが、このような流れで進めていくと楽しい学級目標が出来上がるでしょう。
学級目標づくりをまずは教師が楽しんでいきましょう。そして活用していきましょう。
活用方法は次の記事をご覧ください。
みなさんの学級の学級目標が少しでも楽しいものになればうれしいです。
最後までおよみいただきありがとうございました!
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