学級がまとまってくると、学級独自の何かを作りたいという動きがでてくることがあります。もしくは学級にオリジナリティのあるものを作って、それを通じて学級をさらにまとめようと考える先生もいるのではないでしょうか。
今回は私がこれまでしてきた・見てきた「オリジナル○○」を紹介します。イメージとしては「みんなで考えられて、みんなで作成できて、みんなで共有できるもの」というイメージです。
読んでみてわくわくしたら、ぜひやってみてください!
※学校学年の方針で学級独自のことがしづらいこともありますので、実践は先生方の判断で!
⓪はじめに
オリジナルのものを作るタイミングとして、学級目標ができたあとがおすすめです。デザインにしても、目的にしても拠り所になるもの(学級目標)があるとスムーズにいきます。
年度の早いうちに作ると年間を通じて使うことができます。また年度終わりに作る場合もあります。その場合は記念品であったり、学級の集大成であったりとした意味合いをもちます。
どのタイミングでやるのか、などは子どもに応じてお考えいただければと思います。
またこういった活動にはどうしても意欲差が生じます。そこを無理に高い意欲の児童に合わせさせようとしないほうがよいでしょう。
①学級旗
学級オリジナルの旗です。でっかい布を購入してきて、それにみんなで手形を押したり、デザインを考えてみたりして作ります。学級旗をそのまま学級目標として飾って使うこともあります。
そして学級旗は学校のイベントなどにもっていき、振って応援するなどの使い道もあるでしょう。ただし、かなり目立ちますので「あの学級ばかり…」と思われてしまうこともあるので注意が必要です。
学級旗は全体で1つ作るパターンもありますし、小さい旗を個人ごとにつくるパターンもあります。小さい旗を作った際は年度末で記念品として作りました。
②キャラクター
学級目標をキャラクター化するのも楽しいです。ただこれまでの経験としてオリジナルキャラクターは作るまではかなり盛り上がりますが、作った後に使われなくなることが多いです。理由として、使いどころがなかなか探せない、書くのが難しくしてみんなが書けないなど様々あるかと思います。
私の学級では作ると同時に「オリジナルキャラクターをどんなところで活躍させることができるか」ということも話し合って決めていました。
たくさん使ってもらいたいのであれば、教師自身がたくさん使うことが重要ですし、オリジナルキャラクターを活躍させている子どもも大いに褒めてやりましょう。
③通貨(お金)
学級内のみで使用することのできる「学級通貨」を作るのも楽しいですよ。
上に記事のまとめを載せておきました。学級内通貨を作ると、係活動などが一層盛り上がるので個人的にはおすすめです。まぁ手間と言えば手間なのですが。
④あいさつ
かつて「おっはー!」が流行した際、私の学級でもあいさつとして「おっは~!」をやたら使う子がいました。それに見かねた当時の担任は「おっはー!」を禁止しました。
今となれば、なぜ禁止したのか分かりますが、当時の私たちは納得がいっていませんでした・・・。
そんな話はさておき、学級としてオリジナルのあいさつがあるのも面白いです。あいさつは「おはようだろう!」と思う方もいらっしゃるとは思いますが、個人的にはあいさつの意味を考えてそれを逸脱しなければ「おはよう」に代わるものがあってもいいのではないかと考えています。
オリジナルのあいさつなんて聞いたこともないので、子どもたちから「オリジナルあいさつなんてどうですか?」となることはありません。ただ、私たちから「自分たちだけの『おはよう』に代わる挨拶があったら面白そうじゃない?」と言ってみると賛同して考えてくれる子もいます。ただみんながみんな乗り気ではないので、無理強いはしません。
挨拶全てを置き換えるというのはかなり難しいと思いますので、例えばクラス会議の最初のあいさつだけでも変えるなんて言うのも手です。それだけでも十分面白いと思います。わたしの学級はクラス会議の最初のみ変えて「かんぱーい!」というあいさつでクラス会議を始めていました。
⑤テーマソング
学級のテーマソングを作って、みんなで歌ったり演奏したりするのもすごく思い出に残ります。オリジナルソングなんていいますが、
・元になる曲を決めて
・歌詞を自分たち用に変える
というだけでございます。それだけでも十分に楽しめます。かなり前に作った学級ソングもいまだに歌えるくらいです。
⑥ミュージックビデオ
ミュージックビデオなんて書いてありますが、簡単に言えば学級(メンバー)紹介ムービーです。すごく簡単に作るには
・曲を1曲決める。
・1人10秒くらいで自分を表現する映像を撮る。
・動画をつなげて曲を合わせる。
・時間が余る場合は集合写真や日常風景の写真で尺を稼ぐ
こんな感じで作ると時間もかからず楽しいムービーを作ることができます。
終業式などの学級解散の日に流すとすごく感傷的なムードになったり、笑いが起こったりします。
⑦学級通信のタイトル
学級通信の上の部分、いわゆるタイトルの場所です。
あそこを子どもたちのオリジナルで作るのもいいですよ。学級によりますが、週に1度くらい発行している学級であれば、自分たちで作ったオリジナルのタイトルを毎週目にすることができるので、毎週発行されるのがなんだか楽しくなります。
作り方は
こんな感じで必要最低限のものだけを打ち込んだ用紙を用意し、空いているところにあれこれ描いてもらいます。「『わくわく3組』は必ず入れる!」などのルールがあってもいいでしょう。好き勝手描いてしまうとタイトルとして作ったのかがわからなくなってしまうこともあります。描いてもらったものはスキャンし、それを学級通信のタイトル部にします。
全員で1つのタイトルを作ってもいいですし、1人が1こずつ作って毎週タイトルデザインを変えていってもいいですね。
⑧映画
正直、かなり苦労しますが、映画づくりも非常に楽しいです。
・総監督
・カメラマン
・脚本
を決めると動き出します。役者は希望者だけでも全員参加でも良いと思います。編集は私がやったこともありましたし、子どもの中でパソコンの扱いが得意な人がいたときはやり方を教え、一緒に編集したりもしました。
世にあるような映画には適いませんが、たとえ5分や10分程度のものでも一生懸命作ったものはとても面白いです。そして撮影中は1発でOKになることはほとんどありません。その際に出てくるNG集も最後にまとめると本編に匹敵するくらい面白かったりします。NG集を作る際は必ず子どもに許可を取りましょう。
⑨マーク
学級のマーク(サイン)もおすすめです。手軽に書ける自分たちのマークをつくっておくと細かいところで役に立ちます。いきなりマークを作るのは大変なので、オリジナルキャラや学級目標を作ってそれを簡略化することにより、手間が省けて楽に作れます。
⑩スペース
以前読んだこの書籍に心を打たれ、教室を自分たちで改造しました。
私の学級ではジョイントマットをひき、ベンチとテーブルを置き、休憩スペースのような場所になりました。気付くと他の学級の子たちまで寛いでいました。
教室環境を自分たちで考えるというのも教室に愛着がわき、いいと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
学級にオリジナルがあるとそれだけで何だか学級への愛着が湧きます。そして何より、こういう活動は考え、準備し、完成させ、その後も山ほど活動があり、その中で多くの話合いを中心とした交流が行われます。オリジナル○○そのものが目的でもよいですが、そこに至る過程やその後の内容にも目を向けるとより一層楽しい活動になるはずです。
ただし、こういう活動はどうしても全員が楽しめるわけではなく、「別に必要ない」と楽しいと思えない子もいます。そういった子を無理に同じ方向に向かせるのではなく、「やりたくなったらおいで」くらいの気持ちで活動できるといいのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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