私が学期末や新学期に必ず行う活動があります。それは
学級スクラップ&ビルド、という活動です。
簡単に言えば「学級の活動の中で、何を残すのか・何をやめるのか・何を作るのかを子どもたちと考える」ことです。名前は私が勝手につけたので好きに呼んでください。
少しずつ紹介していきます。
活動のすすめ
始めに、この活動をする「目的」です。
目的があっての活動だからこそ、効果がでます。
私が考えるこの活動の目的は「学級を子どもたちの手で改善していく仕組みをつくること」だと考えています。
この目的であればクラス会議などの活動も最適です。
学級スクラップ&ビルドの「スクラップ」
まず「やめる」ことの意義について語ります。この場合の「やめる」というのは「0にする」という意味も含めますが、「別の形に変える」という意味も含んでいます。
今学期も皆さんお疲れ様でした。行事に学習にたくさん頑張ってきましたね。
今回はみんなに相談があります。
学校には様々な活動があり、何でもかんでもしていると時間も労力もなくしてしまい、やることばかりで、やりたいことができなくなることになってしまいます。
そこで学級の活動を見直し、続けるものは続け、やめるものはやめたいと考えています!
え…やめるんですか…
学校というものは一度何かを始めると、なぜかやめられなくなります(笑)
全てを続けていたら時間が足りなくなります。だからここは思い切って「やめる」という選択ももっておきましょう。ちなみに「やめる」というのは0にするだけでなく、別の良い形に変えるということでもあります。
「やめる」には視点が必要です。まずは大切なのは「目的」を思い出すことです。思い出した上で、次の場合は「やめる」という選択にしても良いでしょう。
①その活動の目的を達成したいとき
②目的に向けて別のやり方のほうが良いとき
③もはや活動の目的がよくわからないとき
④労力がかかりすぎるとき
⑤活動に疑問に思ったとき
です。このような視点で考えたときに学級の一日を見直して何かやめたほうがものはありますか?
のような感じで問いかけてみます。
多分、子どもたちは「やめる」という選択に慣れていないために、ほとんど反応がないはずです。ここはじっくり時間をとって考えさせましょう。グループで話し合わせても良いです。
意見がでたら、まずは「うんうん」と意見を受け入れ、全員でどうしていくか考えましょう。たとえ子どものいった意見が他の子に受け入れられなくも「○○さんの意見のおかげでみんなで考えるきっかけになったね。意見を言ってくれてありがとう。」と肯定的に反応してあげましょう。
私のこれまでの学級ではこのスクラップの活動のおかげで、朝の会や帰りの会の始め、様々な活動がだいぶすっきりしました。
以上が学級スクラップ&ビルドの「スクラップ」の部分です。
学級スクラップ&ビルドの「ビルド」
次に学級をさらによくするための「ビルド」の活動です。
スクラップをした分、少し時間と心の余裕ができたはずです。その余裕に新しい活動を入れるのはしのびない部分はありますが、参考までに…。ビルドは実態に応じてしてみてください。
私は「ビルド」活動としてKPTという思考ツールを利用しています。
こんなやつです。
もし私の自作でもほしい方がいらっしゃれば、どうぞお使いください。
これを班などのグループで話し合い埋めていきます。書く項目は
です。このKとPを埋めるのがまずはポイントです。そこを埋めた上でT(try)「挑戦したいこと」を考えていきます。ここには新たな活動が入っても良いですし、先ほどの「スクラップ」で出されたやめるもののうち、別の形に変えたほうが良いものを書いても良いでしょう。
グループごとにできたら全体で共有します。
その際にキラー質問を使えるといいかもですね。
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それぞれの意見を受け、それを学級の活動に反映させるかを決めましょう。できることであればクラス会議と連動させ、反映させたことを定期的にふり返ると良いですね。
最後に
子どもたちと共に学級の活動をスクラップ&ビルドするのは時間もかかるし、労力もかかりますが、子どもたちが学級のコントローラーをもつ上で大切な考え方や行動を学べます。
教師が学級のシステム全てを決めていくのは簡単ですが、あくまでも学級の主役は子どもだと私は思います。
子どもと共に考え、みんなで過ごしやすい学級をつくっていく、この活動を通して、そんなすてきな時間ができたらとても良いと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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