ここまでの学級内通貨についての記事をお読みいただきありがとうございます。
今回は稼いだ学級内通貨をどう使うか、という話です。
ここで始めに注意しておきたいことは、学級内通貨の仕組みを導入するにあたっての目的とずれてしまう恐れがあるので、この使い道は慎重に考えて欲しいということです。
以前の記事では学級内通貨の目的をいくつか考えていました。まだお読みでない方はこちらからどうぞ。
これから学級内通貨の使い道を紹介しますが、あくまでも目的あっての実践ですので、参考程度にお願いします。安易に取り組むと、なんとなく目的とずれていく気がします。
使い道「学級編」
①学級全体で貯めていく
子どもたちに給料を支給しましたら、その支給した額をexcelなどに入力しておきます。
誰にいくら支給したのか入力しておくと、子どもたちの頑張りが数値となって見えます。
そして入力していくと同時に関数を使って、学級全体にいくらくらい給料を支払ったのかも出します。
「学級全体の支給額=その分、みんなが学級のために努めた」と考えると、次のように子どもたちを褒めることができます。
みなさん!ついに学級全体でのこれまでのスーの支給が100万スーを超えました!すごい!
100万スー支払ったってことは、その分、学級を盛り上がったり、よりよくなったりしているわけです!これってすごいよね!
イラスト係やイベント係などいろんな人が、いろんなことをしてるんだけど(ここは具体的に言ってあげられると良い)、どれもこれも学級を盛り上げていくれていますよね。それぞれの係や人が「学級のため」に何か考えて、行動ができるってすごいです。
これからもみんなが学級のためになることをたくさんしていってくださいね!
こんな感じです。
ここで大切なのは、たくさん稼いだことを褒めるのではなく、みんなが学級のためになっていることを自覚させることです。それをなるべく具体的に褒めましょう。
②お楽しみ会で大いに使う
学期末などに行うお楽しみ会に使います。
お楽しみ会はゲームをみんなでするのも面白いですが、各係が出店形式で遊びを提供するのも楽しいですよ。
その際にゲーム参加代ということで通貨を使うなんていかがでしょう。
お楽しみ会で使うとなればそこをめがけてみんなが係などを頑張って貯めるようになりますよ!
これをするときに気をつけたいのは、お楽しみ会で通貨を使うのに、それまでに全く貯めない子が少なからずいることです。そういう子は教師が把握しておき、お楽しみ会一週間前位から「先生アルバイト」として、いろんなお手伝いをしてもらい、当日に使う分の通貨をこっそりあげましょう。
使い道「個人編」
通貨がたまってくると、
先生~!スーがたまっていく一方なので何か使い道を考えたいです!
と、言う子が出てきます。その気持ちすごくわかります…。
なので「個人での使い道は、『学級全体を盛り上げる』という目的に少し違うからなぁ~」と言いたい気もしますが、少し考えてみても良いでしょう。ただ、最初から個人の使い道を用意しないほうが良いです。子どもたちからの声が上がったら始めるくらいで良いです。
ここの使い道は子ども達と一緒に考えると良いでしょう。
「どんな使い道があったら楽しい?」と聞くといろいろ出してくれますよ。
参考までに、私の学級では以下のような券が発行されることになりました。
①発言優先券
優先的に発言できる。特に難しい問題を解説したい子に人気。
②席替え優先券
今の学校は、席替えは基本的に担任が決めているため、その席替えを決める際に「ここがいい!」というのを優先的に聞いてもらえる。ただし決められるのは場所のみ。
③配り物パス券
私の学級では授業でノートを集めたり、朝の提出物だったりで山ほどの配り物が毎日あります。だから毎日どこかの時間で「配り物1人5つお願い!」と言って全員に配り物をお願いしています。その際にその配り物をパスできる券です。
④先生と遊ぶ券
先生と希望の遊びができる券です。昼休み中延々と腕相撲ばかりしていたこともありました…。
⑤おかわり優先券
おかずなどを優先的におかわりできる券です。からあげなど人気のものにみんな使います。券を使う人が複数いる場合は券を持つ人たちでじゃんけんになります。
⑥各係・会社発行券
それぞれの係や会社が発行する券です。マッサージ会社の「マッサージ券」やイラスト会社の「イラスト購入券」などなどです。売上はメンバーで分配しています。係の体験券などもおもしろいですよ!
⑦掲示物あげちゃう券
私は掲示物を作るのが好きです。学期末など掲示物がほしい人にはあげています。それを優先的にもらえる券です。
⑧クラス貯金
上の券などがほしくない!いらない!という子もいます。そういう子のための使い道として「クラス貯金」という制度を作りました。貯金箱を作り、目標を考え「貯金箱にみんなで○○スー貯めたらお楽しみ会!」というような感じです。
こんな感じで様々あります。
年度途中でも「こんな券がほしい!」という希望が出てきますので、その都度、全員に「どう?」と投げかけて賛成が多ければ新しい券として発行します。これらの券のアイディアもデザインも全て子どもたちがやっています。デザインはお札と同じサイズでやっています。
ぜひ参考になさってください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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