子どもたちにとっての学校生活の楽しみの1つ「お楽しみ会」。集会活動と言われることもあります。
今回はお楽しみ会の形のアイディアを紹介します。進め方を意識すれば、お楽しみ会を「楽しい!」だけで終わらせず、自治的な学級集団に近づけていくためにとても有効に機能します。どのように仕組んでいくのかはそのうち書きたいと思います。
このページはこんな方におすすめ
・お楽しみ会の様々な形を知りたい先生
・お楽しみ会の予定がある、または計画をしている子どもたち
①子ども進行タイプ
子どもたちが司会・進行をしてお楽しみ会を進めます。
司会、プログラムづくり、飾りつけ、ルール説明、チーム決めなど、お楽しみ会に向けた準備・当日の役割をたくさん作ることで「自分たちでお楽しみ会をつくっている」という自覚をもたせ、お楽しみ会後には達成感を感じさせることもできます。
この場合は、早めに動きだすことに加え、しっかりと時間をとってあげると良いです。そして慣れないうちは、教師が役割を考えだしたり、定期的に進み具合をチェックするなど、教師が支えてあげましょう。そして慣れてきたら少しずつ手を放していくことで、自分たちで企画から運営までできるようになります。
②先生リードタイプ
お楽しみ会をまだ自分たちで企画、運営できない場合は、先生がリードするのもありです。その際は子どもたちが「みんなでお楽しみ会をすると楽しい!」と思えるようにしましょう。
私が以前、学級崩壊していたクラスをもった際は「お楽しみ会は必ず喧嘩になるし、いやな思いをする人がいるからやりたくありません。」と言われました。その学級は前年度、①のように子どもたち自身で決めさせていましたが、準備段階から喧嘩が絶えないようでした。
そこで私は「お楽しみ会」とは名前をつけず、「みんなで遊ぶ時間」として私(教師)が中心になり、お楽しみ会みたいなことをたくさんしました。やっていくうちにだんだんと「自分たちもやってみたい」「先生と一緒に企画したい」など積極的にかかわろうとする子どもが出てきました。そして一緒に企画などを行い、少しずつ子どもたちに委ねていき、最終的には自分たちで喧嘩なしにお楽しみ会をすることができるようになりました。
こんな経験もあり、お楽しみ会というものは「子ども主体」のスタイルだけでなく、状況に応じてやり方を変えるのも必要だと思いました。その場合は、なぜそうするのか、大切なことは何かというビジョンも必要です。
③お祭り屋台タイプ
係活動におけるグループを単位として、学級内でお祭りの出店っぽくするのも楽しいです。係活動限らず生活班などでもOKです。
前半・後半に分け、お店番とお客さんどちらも経験できるようにすると良いでしょう。グループごとに個性がでますし、何より全員に役割が生まれるので充実したお楽しみ会になります。一番面白かったお店に投票し、グランプリを決めるなどの工夫もしやすいです。ただし、このやり方のお楽しみ会には時間がたっぷりかかります。でも時間をかけた分、盛り上がります!
このやり方のお楽しみ会が児童会祭りのお店につながることもあるので、児童会祭りの前段階として位置付けて行うのもいいですね。
また学級内通貨などを作っておくと、こういうタイプのお楽しみ会のときに役立ちます。
④係で仕切るタイプ
私は「係祭り」と呼んでいます。1時間のお楽しみ会に2~3個の係が、企画したことをみんな行います。
係ごとに15分~25分程度の時間で楽しいことを企画します。イラスト係がイラスト大会を開くように係にまつわるものを企画してもいいですし、清掃係がドッジボールをするように全く関係のないけどやりたいことを企画しても良いです。
このタイプのお楽しみ会のデメリットは、係の数が多い場合1時間で終わらないのが難点です。係が6個あるとし、週に1度の学活で2個ずつやったとすると3週かかることになります。
しかしこのタイプのお楽しみ会のメリットは、リーダー経験がたくさんできることにあります。そして1度の係祭りで終わらせずに何回もやっていくと、やるごとに企画運営が上手になり、学級が豊かに楽しくなっていきます。この係祭りを中心に学級経営をうまくやっていくこともできます。
⑤季節取り入れタイプ
「お楽しみ会=プログラムあり」
という考えを飛び出し、プログラムなしに時間と場所だけ設定しましょう。それだけでも子どもたちは楽しめるものです。
春なら花見、夏なら川遊び、秋なら紅葉拾い、冬なら雪遊び・・・その季節だからこそできる時間の使い方がおすすめです!
⑥出し物タイプ
個人的に最も好きなタイプのお楽しみ会です。
パフォーマンス大会と名付けて行うこともあります。子どもたちが自由にグループを組み、自分の得意なことを生かして最大5分間の出し物を行います。
このタイプのいいところは「普段であったら学校では見られない子どもたちの『得意』を見ることができること」です。わかりやすい例で言うところは習い事を活かしたパフォーマンスです。ダンスを習っている子はキレキレのダンスを、体操をしている子はカッコいい技を披露してくれます。普段は見れない子どものそんな姿がでると子どもたちは大盛り上がりです。そのほかにも
・オリジナルの劇
・一発芸
・モノマネ
・カラオケ
・お笑い(漫才・ショートコント)
・スピーチ
・実況ゲーム動画の披露
・動画披露
など様々な「得意」が発揮されます。
ただしこのタイプのお楽しみ会は仕組むのが非常に大変です。まず「やりたい!」という気持ちにさせること、人のを見てバカにせず温かいメッセージを送ること、「やりたくない」という子を巻き込むこと、認め合えることなどなど・・・支持的な学級風土がない場合はうまくいかないことが多いでしょう。
どの学級でも必ずできるというものではございませんが、こういう「自己表現」「得意を認め合える」という機会が学級にあると学級の雰囲気は明るく豊かになります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
たかが「お楽しみ会」と言っても様々なスタイルがあります。そしてそこまでの道筋も実に様々で、お楽しみ会で学級を成長させることもできます!
「楽しい」だけではもったいないです。ぜひ子どもたちも楽しみなお楽しみ会を、楽しいだけでなく、成長の場に変えていきましょう。
コメント